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113号 会報「育友」
専修大学の話
日義博 理事長・学長インタビュー
日義博
専修大学とはどのような大学なのか。130年の伝統と、その先に目指すものは。専修大学の舵取りを一手に担う日義博理事長・学長にお話をお伺いしました
21世紀に掲げる理念は「社会知性の開発」。社会の骨格を支える人材を輩出し、大学の建学の精神を社会で花開かせる。大学4年間の教育はもちろん、その先の人生を見据えた教育を行う。
社会の骨格を支える人材を育てる
―社会の骨格を支える人材になるためには、社会の荒波を乗り越えていくための羅針盤、そして社会が求めているものに対応できる力が必要です。その基礎的な力を身につけるのが専修大学の4年間です。

高校までの教育と違い、主体的に求めていかないと身につかないのが大学の教育です。求めようという意志さえあれば、あらゆるものが専修大学の教育の現場にはあります。

私が過ごした40年前は、学生は3畳1間のバンカラな生活をするのが当たり前で、体は痩せ細って、目だけは夢に向かってぎらぎらしていて、そういうのが一般的な学生像でした。その頃は、学生も大学で学ぶことが明確にあって、大学に入ったら何をすべきか分かっていることが多かった。今の学生像は少しそれとは違い、大事に育てられてきたようです。高校生活の延長として大学に入学してくる学生が多くなりました。その点、学生の頭のスイッチを切り替えないと、大学教育のスタートが難しいです。

しかし、高校までの教育との切り替えを、早い時期に行ってあげさえすれば、彼らはみるみる変わっていきます。学生の目覚めを導く役割を担うのが、導入教育やキャリアデザインセンター、そして今年からスタートした総合科目「日本の大学史のなかの専修大学」です。この授業では専修大学の歴史、大学の位置づけといったものを学びます。高等教育の使命を学ぶことで、大学で学ぶことの意味を理解できるようにした、新たな試みです。

大学4年間は人生を考え、自分の可能性はどうあるのか目覚め、自分の人生の羅針盤を持つ時期です。それは与えられるものでなくて、つかんでいかなければならない。そのための仕掛けを大学では用意しています。

自らの役割を粛々とやり遂げる。そうした信念を貫く生き様が専修大学の伝統には強く根付いている。
専修大学出身者の持つ、サムライ・スピリット
―私が尊敬する今村力三郎先生は専修大学の前身である専修学校の第7期生として、創立者の薫陶を受けて育ちました。卒業後、在野弁護士として大逆事件、五・一五事件などさまざまな刑事事件で活躍され、戦後、専修大学が旧制大学から新制大学に移行しなければいけない時期に本学総長として迎えられました。財政的にも非常に厳しい時期に、私財をなげうって、自身は神田校舎の片隅に寝泊りし、大学再建に奔走されました。専修人として、信念のある生き様を最後まで貫いた人だと思います。

専修大学はさまざまな分野で活躍するすばらしい人を輩出してきましたが、共通するのは“サムライ・スピリット”を持っているということでしょう。信念を貫く生き様は創立者からのものです。創立者は明治の混乱期、8年間の留学から帰国して、民間のレベルから日本の高等教育を築き上げていった。それを見事に実現して、その役目を終えたら、自分の名を売ることなく、ひっそりと消えて行った。こうした生き様が伝統として残っていると思います。この自己主張の時代に、少し古い生き方かもしれませんが、専修人の美徳だと思っています。

専修大学での大きな出会い。どういう人に出会うかで人は大きく変わる。
人間の能力は大きく変わらない、むしろ出会いの運命に左右される
―私は検察官になりたいという思いを持って大学に進学しました。それが、大学2年のときに神山欣治先生の刑法を学び、実務家より研究者のほうが面白いと思い、進路を方向転換しました。もし、専修大学での神山先生との出会いがなかったら私は研究者ではなく、実務家になっていたでしょう。

人間の能力は大きく変わらない。むしろ運命に左右されることが多い。どういう人に出会うかによって、その人の才能が開花するかも決まる。自分の人生を振り返るとそう思います。人生観が変わるような人物、一生付き合える友達に出会えたのが私の大学時代でした。

この世に生れ落ちた以上、人それぞれ何かやらなければならない課題が与えられています。学生にも、アンテナを張って、人にできない、自分にしかできないということを早く見つけなさいと言っています。学問だけでなく、スポーツでも、趣味でも、ここだけは人に負けないという分野を持てればいいのです。

どういう人に出会うか、何か課題が得られるか、それによって人は変わってくるのです。専修大学はそういった出会いのある環境だということを約束します。

昨年暮れに、本学の卒業生である東国原宮崎県知事と対談したとき、「専修大学の学生には、専修大学で勉強したことに自信と誇りを持ってほしい。自分も青春の一番多感な時期に、触れ合った友達、ものの考え方が、その後の自信につながっている」とおっしゃっていました。卒業生からそういう言葉が出るというのは、専修大学で過ごされた生活が充実したものだったということでしょう。

専修大学の発展を支えてきた育友会。子どもへの経済的、精神的支援だけでなく、オール専修の一員として、専修大学を社会へ発信するサテライトの役割を担っている。
50年の歴史を刻む育友会オール専修の一員として
―今年50周年を迎える育友会は父母の会としては、私学の先頭を切っている組織です。オール専修の一員であり、大学はご父母を含めて動いています。

我が子の成長を通し、大学教育の中身が一番分かるのがご父母ですから、我々は謙虚にご意見を聞かなければならないし、ご父母が感銘を受けるような教育をしたい、そういう施策を打っていかなければならないと考えています。

専修大学には、学生を目覚めさせ、大きく成長させる仕掛けが用意されています。一度目覚めた学生は、在学中の勉強の仕方も違ってくるし、人との接し方も、卒業してからもまるで違ってきます。安心してお子さんを預けていただきたいです。

育友会員は、学生を身近で見守る存在として、大学を評価されます。専修大学のよさを知っていただいたなら、皆さんが窓口となって、専修大学を社会へ発信するサテライトとなっていただきたい。皆さんのあたたかいご支援ご協力をお願い申し上げます。