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知的好奇心いろいろ
ラテンアメリカに注目
経済学部教授 狐崎 知己
担当科目はラテンアメリカの経済、国際関係論、NGO論など。主な著作は『ラテンアメリカ』(自由国民社、H17)、『貧困削減と人間の安全保障』(国際協力出版協会、H19)など。
資源大国
ラテンアメリカと聞くと、たちまち著名なサッカー選手の名前を何人も挙げることのできる学生が多いと思います。音楽好きな学生ならば、サルサやフォルクローレ、ラテン・ヒップホップのリズムが浮かんでくるかもしれません。昨年(2007年)は国立科学博物館などでアステカ・マヤ・インカの古代文明展が開催され、大盛況でしたので、マチュピチュやユカタン半島の世界遺産群を思い描く人もいるでしょう。
実は、経済の分野でも久々に世界の目がラテンアメリカに注がれ、投資や貿易が急増しているのです。その理由は、石油や銅、大豆などに象徴される国際的な資源価格の上昇にあります。ラテンアメリカ諸国は最先端分野も含めて世界経済の根幹を担う、鉱物資源や農林水産資源の莫大な輸出能力をもつ資源大国であるうえ、民主体制の進展にともない大半の国々で安定した政治体制が続いています。
成長著しい国々
33カ国からなるラテンアメリカの経済規模は東アジアに匹敵し、なかでもメキシコやブラジルは世界第10位前後の経済規模を誇り、韓国を凌ぐほどです。「失われた10年」と呼ばれた長期低迷の時代から見事に立ち直り、堅実な経済政策のもとで総人口5億人を超える有望市場が発展しているのです。北米自由貿易協定(NAFTA)や南米共同市場(メルコスール)など経済統合の先進地域としても知られ、日本も早々とメキシコやチリとの間で自由貿易・経済連携協定を締結して友好協力関係を強めています。
私たちが日常的に消費しているアスパラガスや豚肉、鶏肉、鮭などは、ペルーやブラジル、メキシコ、チリなどが10数年に及ぶ開発努力を積み重ねて品質を向上させ、日本市場の開拓に成功した製品なのです。この地域は、私たちの暮らしを支え、豊かにしてくれる、数多くの潜在能力を抱えた宝の山と言ってもいいでしょう。
身近な世界
日本から見ると地理的には地球の反対側にありますが、実は専修大学ではメキシコの名門イベロアメリカーナ大学と交流協定を結び、これまでに50名に達する短期・長期留学生を送りだしています。私も長期留学に向かう学生たちの面倒を見てきましたが、約1年間の勉学を終えて帰国した学生たちの成長ぶりには、心底目を見張るものがあります。
スペイン語圏の途上国で数少ない日本人留学生として、ホームステイをしながら正規課程の授業に臨むのですから、否応なしにコミュニケーション能力が向上するのでしょう。その後の進路も大いに広がります。大学としても、スペイン語授業や留学制度の充実など手厚い支援を行っており、ラテンアメリカ世界で活躍する人材が育っていくことを期待しています。
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