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最新号紹介 会報「育友」
専修コミュニティ 私は、今の学生をこう捉えて、こう接する
楽しく過ごせればいいの?
経営学部准教授 高柳 美香
担当科目はマーケティング情報論、マーケティング総論、マーケティング入門、市場調査論など。主な著作は[ 学術論文] アニメプロダクションとブランド―「スタジオジブリ」と「プロダクションI.G」の事例から―(専修大学経営学論集80:H17)、社団法人日本ディスプレイ協会企画編集委員会編『銀座のショーウインドウ』・「生きたリアルさー迫力の生き人形」(六耀社:H16)など。
これが流行なのでしょうか…

7 月の参議院選挙の前のとある学生との会話です。

「選挙は行かない」
「どうして?」
「だって誰が当選しても何も変わらないから」
「じゃあ選挙権がなくてもいい?」
「別に」
「なくなったらどうなると思う?」
「何も変わらないと思う」

皆さんはこの会話をどう思うでしょうか。

自分自身あまり他人のことは言えませんが、今の学生たちをみていると、世間一般で言われているように、恵まれて育ってきたのだなあ、と感じます。何でもあって当たりまえ(もちろん選挙権も)。欲しいものはほとんど手に入る。自分の好きなことだけをやっていればいい。毎日が楽しく過ごせればそれでいい。これの何が悪いの? 他人に迷惑をかけているわけではないし。そうですよね。確かに悪いとはいえないでしょう。

でも、果たしてこれでいいのでしょうか。大学生なのですから、できたらもうちょっと世の中のこと、日本が今どうなっているのか、世界の他の国で何がおきているのかなどなど、自分の興味のある携帯やメールやゲームなどだけでなく、いろいろなことに目を向けてほしいのです。そしてもっともっと考えるようになってほしいというのが私の願いです。その上で自分がどう生きていったらいいのか、自分には何ができるのかを真剣に考えて将来を決めてほしいのです。そのための準備期間として大学があったら、そして彼らの将来あるべき姿の手助けを少しでもすることができたら、と思いながら私は教員生活を送っています。

ただ実際には自分自身の力不足、大したことはできないもどかしさを感じているのが正直なところですが、ここではとりあえず私が彼らとどのように接しているのかを2つのゼミナールを例にとりながらお話したいと思います。

1年生には…

経営学部では全1年生向けに、入門ゼミナールというひとクラス20人前後の少人数制のクラスを開講しています。必修ではありませんが基本的には全員が受講できるものです。この授業は同時にクラスにもなっていますので、担当教員は授業の担当であると同時に、クラス担任の役目を果たすことになります。

この授業は、これからの大学生活において必要な基本的なスキルを身につけてもらうことを目的としています。時として今の学生たちは、高校までに習得してきたはずである事柄も忘れて(?)いることが多く、授業の聞き方、ノートの取り方、なども教えたりします。そして大学の授業では不可欠ともいえる、レポートの書き方、発表の際のレジュメの書き方、プレゼンテーションの仕方、などを実際に自分で体験しながら学んでいきます。少人数ですので、その利点を活かして、多くの学生が苦手とする、「人前で話をする」ということも経験してもらうようにしています。

ただあくまでも入学したての1年生ですし、クラスも兼ねた授業ですので、勉強をしながらもグループディスカッションなどを通して、お互いに仲良くなってもらうように心がけています。また担任も兼ねていますので、相談ごととかがあったら話しに来てもらいやすい環境を作り出せるように努力もしています。とにかくこれからの4年間を過ごす専修大学を好きになってもらえるよう、ここで勉強するんだと思えるようになってもらうためのクラスであると位置づけています。そして最後の授業では大学からの補助金を活用して、お昼にピザをオーダーして親睦を深めるといった工夫もしています。

上級生には…

3年生になると、経営学部では専門ゼミナールという授業が用意されます。しかし教員数の限界から、このゼミナールは1年生の入門ゼミナールとは異なって全員が入れるわけではありません。ですので残念なことではあるのですが、希望通りのゼミナールに入れない場合も出てくるのも事実です。

そのような中で私のゼミには毎年約15名前後の3年生が入ってきます。彼らとはまず基本的なマーケティングの知識を習得すると同時に、レジュメの書き方、発表の仕方などを学ぶのを主な目的として、テキストの輪読を行います。その後ここで学んだ理論を実践に応用するという目的のもとにプロジェクトに参加させています。プロジェクトは、以前は私の個人的な企業とのつながりを利用していたのですが、最近は大学側がさまざまな産学協同のプロジェクトを用意してくれていますのでそれらを活用しています。例えば昨年は地元川崎の某納豆企業の新製品開発、今年は神奈川県主催のコンテストに全員で参加しています。特に神奈川県のコンテストは神奈川県下のすべての大学生が対象になっていますので、実際に企業で行われているコンペに近い感覚があります。そういった意味も含めて学生にはよい刺激になるのではと考えています。またプロジェクトは個々人ではなくグループで行うことになるわけですが、ここから複数人数で何か仕事をすることの意義、重要性と難しさを学んでもらい、将来に役立ててほしいと考えています。

1クラスが100人を超える授業が多いなか、学生と1対1で向き合える唯一のクラスとも言えるこのゼミナール。私もメンバーの1 人として輪の中に入りながら、彼らには勉強を通じて仲間をつくり、将来の基礎となる知識を習得してもらえればと願いつつゼミナールを行っています。

ちなみに…私は選挙権をもらった最初の選挙に喜び勇んで駆けつけた覚えがあります。誰に投票したかもしっかり覚えています!?

ゼミ生とともに。