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落語家
立川談修さん
(1995年卒)
略歴はこちら
入門してひと月、師匠立川談志から呼ばれた。「お前、専修大学だったよな。名前、談修でいいか」以来、大学名を背負うことになった。古典落語の新星・立川談修。子どもの頃から落語とともに生きている。
よく通った声がテンポよく響き渡る。登場人物を声色としぐさだけで巧みに演じ分け、聞くものにその世界を喚起させる。滑稽なセリフを生かすも殺すも、その微妙な間合いや、声の調子で決まる。会場がどっと笑いに包まれる。立川談修演じるは古典落語。
落語家にならなかったら後悔する
立川談修こと占部直昭は専修大学松戸高校から専修大学法学部へと進み、大学卒業後、立川談志に弟子入りした。落語家の道を選んだ理由は、「落語が好きだったから」。
しかし、好きだから選んだ道とはいえ、そこに迷いがなかったわけでもなく、決して平坦な道でもなかったという。「大学4年になって、いざ身の振り方を考えたとき迷いました。落語家になれるかどうか分からなかったですし、もしなれたとしても務まるかどうか分からなかった。でも落語家にならなかったら後悔するなと思いました。一か八かやるのなら一番好きな人のところに弟子入りしようと思いました」
占部直昭にとってのカリスマは立川談志だった。数多くの落語家を見てきた中で、落語のスキル、その独創性、さらには考え方、思想においてもピカイチだと思っていた。
立川談志は厳しい人でもあった。入門から7年がたったとき「精進が足りない」と門下の前座6人全員に対し、破門が言い渡された。このとき立川談修はまた占部直昭に戻ったのだ。
「自分は物事を慎重に考える性格ですね。じっくり考えて入った世界ですから、それで諦めるほど生ぬるい覚悟ではなかった。破門されて談修という名を名乗ることもできず、仕事もなくした期間は、ひたすら講釈や歌、落語の腕を磨くのに努めました。同じく破門された中には、ほかの人に弟子入りする者もいましたが、僕はそれを考えませんでした」
一年後、復帰試験を受けて、ただ一人合格。ふたたび立川談修を名乗ることを許された。ゼロからのスタートだったが、それから二つ目昇進までに、それほど時間はかからなかった。
今ではその実力を師匠も認めている。あるテレビ番組で落語を披露したとき、厳しい師匠から「文句ない」と最大級の賛辞を受けた。
厳格な師匠、そして優しく見守ってくれた両親
落語界には前座、二つ目、真打ちと3つの階級がある。前座時代は付き人として、師匠の身の回りの世話をした。二つ目になった今、師匠に言われたことで身に染みて分かることがあるという。
「前座時代は他を律する訓練なんだと。それは人のために気を遣うことで、できなくてやめていく奴は多い。しかし、他を律することができない奴に、自律、自らを律することはできない」
二つ目になり落語家としては認められたが、それゆえに生活の全ては自分の実力にかかっている。自律して、さまざまなことを吸収し、芸を磨かねばならない。
厳しい師匠に対し、両親は大らかな目で見守ってくれる存在だった。
「落語に夢中になったのは、父親の影響があったと思います。小学校4年でラジカセを買ってもらって、それがうれしくて仕方なかった。父親も落語が好きで、こんな番組あるよ、と落語番組を教えてくれたりしましたから、そういうのを片っ端からそのラジカセで録音して聞いていました」
その頃のものを含め、録音されていったテープは今では3千を超える。
「父は別に僕を落語家にしたかったわけじゃないでしょうけど、そういった形で種を蒔いてくれたのだと思っています」
初めて人前で落語を披露したのはクラスのお楽しみ会。バカウケだった。高校でも、大学でも、落語研究会に所属した。
大学卒業と同時に落語家の道へ進むときも、反対はされなかったという。身近で見守ってきた親だからこそ、息子が落語に心底夢中なのを十分理解していたのだろう。
「前座時代には経済的にもいろいろ支援してくれました。都内近郊で高座をやるときには見に来てくれます。ほんとありがたい。半面、やりにくくもあるのですが(笑)」
立川談修の一番のファンは両親であることは間違いない。
今後は、筋立てが決まった古典落語をしっかりとそのまま演じるスキルはもちろん、それをアレンジして自分独自のギャグなりフレーズを加える独創性も磨きたいという。これからの成長が楽しみである。
今後の活動は、独演会「ダンス・ダンス・ダンシュー#15」
(6月30日土曜、上野広小路亭)ほか。
皆さまからの高座のご依頼などもお待ちしております。ご連絡は、
tel&fax:042-468-8374 E-mail:tatekawa-dansyu@jcom.home.ne.jp
立川談修(たてかわだんしゅう)
本名、占部直昭。1973年1月20日、千葉県船橋市生まれ。専修大学松戸高校より専修大学法学部へ。1995年大学卒業と同時に立川談志の25番目の弟子となる。2003年10月二つ目昇進。
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