鈴木 良輔 (経営学部2年)
家賃2万2千円。築30年。木造。4畳半。共同シャワーに共同トイレ。段ボール製の自作の椅子とたんす(写真)。これが私の住んでいる部屋。しかし、私の実家は決して貧乏ではありません。このような部屋に住むことが、私の父の教育方針の一環なのです。
父が厳しいのは、私が幼い頃からです。まずは幼稚園のときの出来事。ふざけて同じマンションの人の車に傷をつけたことがありました。父は私をベランダに締め出しました。次に小学生のときの出来事。お小遣いをくれるようになったのですが、金額は毎月300円。欲しいものがあっても何も買えない金額でした。また、私がいけないことをすると父は「罰金」「食事抜き」「ゲーム機没収」などの罰を私に与えました。
中学生になると、理由は覚えていませんが、私と父は約2年間言葉を交わさなくなりました。その間、私はお小遣いを貰いませんでした。欲しいものがあっても何も買えませんでした。言葉を交わさなくなって約2年がたったときに、母親に勧められて謝罪をし、言葉を交わすようになりました。
高校生になり、それまでの経験から、父に怒られないような正しいことをするようになりました。悪ふざけをしても、アフターケアをしっかりとしたので、父もそれほど厳しいことを言いませんでした。
大学受験が終わり、専修大学に行くことが決まると、父は言いました。「家賃1万円台の家でなければ学費は出さない。」私は耳を疑いました。母は反対しましたが、お金を稼ぐのは父なので、かなうはずがありませんでした。
私は家賃1万円台の家を探しました。最終的に見つかったのは1万7千円の物件と、現在住んでいる2万2千円の物件の2つ。前者は下北沢にあったために、定期代を含めると後者が安上がりでした。私は父を説得し、現在の部屋に住むことになりました。もちろん、物件を探す際は単身で神奈川県に来て探しました。このほかにも書ききれないことが多々ありますが、これで私の父はとても厳しい人だということが伝わったでしょう。
父はとても厳しい人でありましたが、私は父を恨んだりはしていません。むしろ感謝をしています。幼稚園のとき、他人の物を傷つけるのは悪いことだと学びました。小学生のときからお小遣いが少なかったので、お金の大切さと上手な使い方を学びました。中学生のときに父と言葉を交わさなかった経験から、人に謝罪をするタイミングを学びました。それが高校時代に生かされ、私は今、一人暮らしをする大学生になりました。
段ボールのたんす
一人暮らしで心配なのが「お金」の問題ですが、幼い頃から独自に培ってきた節約方法のおかげでお金には困っていません。厳しい父ですから、仕送りは家賃を含め8万円。現在の平均仕送り額よりは少ないです。それでも僕はやっていけます。それも、父の厳しさあってこそ得た生活の技です。
最近は悪いことをしてもきつく叱る親は少なくなったと聞きます。また、多額の小遣い・仕送りを貰い、高いマンションで一人暮らしと贅沢三昧な学生もいますが、今は時勢に流されることなく厳しく育ててくれた父に感謝しています。今後も厳しい父であり続けると思いますが、厳しくある父の意味を深く理解し、歩んでいきたいと思います。
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