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109号 会報「育友」
新入生特集 大学で何をし何を得るのか
インタビュー 高橋 祐吉 副学長・経済学部教授に聞く
学生生活4年間のグランドデザインを描く
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副学長・経済学部教授 高橋 祐吉
副学長・経済学部教授 高橋 祐吉
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大学生となった子供たちが、どういった4年間を過ごすのか。大学で学ぶこと、新しい人間関係の構築、社会との関わり、キャリアデザイン、そして就職。親としてどう子供と向き合っていけばいいのか。高橋祐吉副学長にお話をお伺いしました。
全然知らなかった世界があることを体感することが大切
―新入生は、大学での4年間をどのように過ごしていくことになるのでしょうか。

勉学についていえば、高校までの受験勉強では正しい解答にたどり着くための勉強が重要ですが、大学では簡単には正解というものが見つからない分野について勉強していくことになります。そのためにはどうしても「思考力」を鍛えなければなりません。抽象化された概念を用いながら論理的に考えたり、歴史的にどう変化してきたのかを知り今後どのように変化していくのかを予測したり、他の領域との関連にも目を配ってものごとを構造的にとらえるといったような力です。こうした大学でしか身につけられないような基礎的な力こそが、学生が社会に出ていくときに「資格」以上に重要な武器になるのです。

そうした力を身につける場として、少人数教育を代表するゼミナールを重視すべきだと思います。ゼミナールに参加することによって、あるテーマに関して問題を発見し、分析し、解決策を考えることになるわけですが、そのためには、関連の本を読み、資料を集め、発表し、議論し、そして最後に論文を書かなければなりません。こうした大学らしい勉強を通じて「思考力」が鍛えられていくのです。アルバイトやサークル活動にも出会いがあり、学ぶものがありますが、キャンパスライフの中心をそこに置くのはもったいない。そのことに早く気付いてくれるといいと思います。

―大学では、考える力を身につけることが大事なんですね。

そうですね。たまに学生が、「大学の講義がおもしろくないし興味がわかない」などと言ったりするのですが、大学の講義は「お笑い」じゃないんだし、ましてや講義を聴いてほとんど分かるようなら、わざわざ高い授業料を払って大学に来る必要なんてないだろうと「反論」しています(笑)。そうではなくて、自分には全然知らなかった未知の世界があり、その広がりは相当なものだということを、新鮮な驚きを持って体感することが大切なのです。大学は「知のワンダーランド」なのですから。これまでに身につけてきた判断基準も、狭い世界の中でできあがってきたものなんですから、それを絶対視して社会や文化や人間を「解釈」してしまわないで欲しいですね。
自分の視野がかなり狭いのかもしれないと疑ったほうがいい
―学生は社会とどのように向き合っていけばいいのでしょう。

学生たちの世界がすごく狭くなっているんですね。彼らの生活を見ていると、友達やアルバイト先やサークルだけでほぼ完結していて、頭の中もまたそうした生活から生まれる私的な関心事で占められている。そんな世界に生きているだけだと、社会や文化や人間の奥行きをなかなか実感しにくいみたいですね。そういう意味では、自分自身の視野がもしかしたらかなり狭いのかもしれないと疑っていたほうがいいのです。「知らざるを知る」ということですね。知るためには、これまでの殻を破って広い意味での「出会い」を求めなければなりません。大学は「出会い」の場でもあるのですから。

視野の広げ方はいろいろあると思います。ゼミナールに参加して、さまざまな考えを持つゼミ生と交わりながら、これまで手にしなかったような本を読むだけで、世界はかなり広がりますが、それ以外にも語学留学やインターンシップによる会社での就業体験、ボランティア活動などがありますし、大学が企画する講演会やセミナーなどに顔を出してみるのもいいと思います。そういったことを通じて社会に対する関心は徐々に広がっていきます。自分の世界に閉じこもったままでいると、単調な生活の中で時間だけが過ぎ、視野を広げる機会を失ってしまうかもしれませんね。
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